AI時代のIaC戦略—大規模環境マイグレーション

大規模基幹システムの段階的マイクロサービス化と、AI機能追加を見据えた拡張性の高いIaC戦略の実現

Executive Summary

経営課題

レガシーモノリスの技術的負債とAI機能追加要望の増加により、投資対効果の見える化と段階的刷新が経営課題となった。

ROI・成果

  • 運用コスト35%削減
  • デプロイ頻度月1回→週2回
  • 変更障害率60%低減

プロジェクト概要

クライアント

大手通信会社

業界

通信・インフラ

チーム規模

8名体制

技術スタック

Cloud
  • AWS ECS Fargate
  • AWS EKS
  • SNS/SQS
  • RDS
  • DynamoDB
Tools
  • GitHub Actions
  • Terraform
  • CloudFormation
  • Coverity
  • Docker
Os
  • Amazon Linux 2023
  • RedHat 9.2

背景・課題

大規模な基幹システムのモダナイゼーションにおいて、モノリシックなレガシーアーキテクチャからマイクロサービスへの移行と、AI機能追加を見据えた拡張性の確保が求められた。
  • 10年以上運用のモノリシックシステムで技術的負債が累積し、新機能追加に月単位のリードタイムが必要
  • インフラ構成管理が手動属人化しており、環境間の差異が障害の主要原因に
  • AI/ML機能の追加要望が増加しているが、現行アーキテクチャではスケーリングとリソース分離が困難
  • 月1回のデプロイサイクルで、変更障害率が高くロールバックも頻発
  • セキュリティ要件(Coverityスキャン、コンプライアンス監査)が手動プロセスでボトルネック化

ソリューション

機能単位での段階的マイクロサービス化と、モノレポ+AIモデル管理リポジトリのハイブリッド戦略を採用。OIDCベースのセキュアな認証設計により、AI対応可能な拡張性を確保した。
段階的マイクロサービス化

ストラングラーフィグパターンで機能単位に移行し、リスクを最小化しながらモノリスを分解

ハイブリッドリポジトリ戦略

モノレポでアプリケーションコード、独立リポジトリでAIモデル管理、CI/CDで統合

セキュアなIaC基盤

GitHub Actions OIDC + ECS/EKS マルチランタイムでゼロトラスト認証を実現

AIレディな拡張アーキテクチャ

ECS FargateでWeb/API、EKSでAI推論を分離し、リソース要件に応じた最適配置

実装プロセス

Phase 1: 基盤設計とIaC整備(1-4ヶ月目)
  • 現行システムの依存関係マッピングと移行優先度の決定
  • Terraform/CloudFormationによるインフラのコード化と環境間差異の解消
  • GitHub Actions OIDC認証の導入とセキュリティスキャンパイプラインの構築
  • モノレポ構成の整備とNxによるビルドキャッシュ最適化
Phase 2: 段階的マイクロサービス移行(5-9ヶ月目)
  • ストラングラーフィグパターンによる認証・課金APIの先行切り出し
  • ECS Fargate(Web/API)+ EKS(AI推論)のマルチランタイム構成の構築
  • Coverity静的解析をCI/CDパイプラインに統合し、セキュリティゲートを自動化
  • データベース分離とイベント駆動アーキテクチャ(SNS/SQS)への移行
Phase 3: AI機能統合と運用最適化(10-12ヶ月目)
  • AI推論エンドポイント(EKS + Python)のデプロイとA/Bテスト基盤の構築
  • Dockerマルチステージビルドによるコンテナイメージ最適化(サイズ50%削減)
  • カナリアリリース・ブルーグリーンデプロイの自動化とメトリクスベースロールバック
  • 運用監視ダッシュボードとSLO/SLI定義に基づくアラート自動化

成果

運用コスト削減

35%

リソース最適化
デプロイ頻度

週2回

月1回→週2回
変更障害率

60%低減

自動テスト+ロールバック
AI拡張性

対応済

EKS推論基盤構築
ビジネスインパクト
  • モノリスからマイクロサービスへの移行により、新機能のリードタイムを月単位から週単位に短縮
  • IaC化により環境間差異をゼロにし、変更障害率を60%低減
  • ECS/EKSのマルチランタイム構成でAI推論ワークロードを独立スケーリング可能に
  • Coverity統合によりセキュリティ監査の自動化を実現し、コンプライアンス対応工数を大幅削減

AI時代を見据えたアーキテクチャ設計のおかげで、AI推論機能の追加が当初予定より2ヶ月早くリリースできました。IaC化により環境構築も再現可能になり、チームの自信にも繋がっています。

システム企画部長 / 大手通信会社