オンプレLLM基盤のCI/CD自動化

オンプレミス環境でLLM基盤を構築する際のGPUリソース管理とGitOps運用による完全自動化の実現

Executive Summary

経営課題

オンプレLLM基盤の属人化とGPUリソース管理の非効率が、AI投資のROIを圧迫していた。

ROI・成果

  • 構成リードタイム60%短縮
  • 障害検知時間60分→15分
  • デプロイ失敗率90%低減

プロジェクト概要

クライアント

大手通信グループ

業界

通信・AIインフラ

チーム規模

4名体制

技術スタック

Infra
  • Kubernetes
  • NVIDIA GPU Operator
  • MIG
  • Harbor
Tools
  • ArgoCD
  • Keycloak
  • Prometheus
  • Grafana
  • Alertmanager

背景・課題

オンプレミス環境にLLM基盤を構築するにあたり、GPUリソースの効率的な管理、クローズドネットワークでのCI/CDパイプライン構築、マルチテナント環境での認証統合が最大の課題だった。
  • オンプレ環境でのKubernetesクラスタ構築に多くの工数を要し、手動設定で属人化が進行
  • クローズドネットワークのため、パブリッククラウドのCI/CDサービスがそのまま利用不可
  • 複数チームがLLM基盤を利用するマルチテナント環境で認証・認可の統合が複雑
  • GPUノードのスケジューリングとリソース配分の最適化に課題があり、コスト効率が悪化
  • 障害検知から復旧まで平均60分を要し、SLA達成が困難な状況

ソリューション

Kubernetes + ArgoCDによるGitOps運用基盤と、Keycloak認証基盤統合、Prometheus + Grafanaによる包括的監視により、セキュアで自動化されたLLM運用基盤を構築。
GitOps運用基盤

ArgoCDによる宣言的デプロイ管理で、Gitリポジトリを単一の真の情報源として運用

マルチテナント認証

KeycloakによるRBAC統合で、チーム単位のリソースアクセス制御とSSOを実現

GPU最適化管理

NVIDIA GPU Operator + MIGパーティショニングで、GPUリソースの細粒度な割り当てと監視

包括的監視基盤

Prometheus + Grafana + Alertmanagerでメトリクス収集・可視化・アラート通知を一元化

実装プロセス

Phase 1: インフラ基盤構築(1-2ヶ月目)
  • Kubernetesクラスタ構築(オンプレGPUノード3台+コントロールプレーン3台)
  • Harborプライベートレジストリ構築によるイメージ管理の閉域網内完結
  • NVIDIA GPU Operator導入とMIGパーティショニング設定
Phase 2: GitOps・認証基盤構築(2-3ヶ月目)
  • ArgoCDによるGitOpsパイプライン構築とApplicationSet設定
  • Keycloak認証基盤の構築とKubernetes RBACとの統合
  • SSO・マルチテナントアクセス制御ポリシーの設計・実装
Phase 3: 運用自動化・監視構築(4-5ヶ月目)
  • Prometheus + Grafanaダッシュボード構築(GPU使用率・推論レイテンシ・エラー率)
  • Alertmanagerによる障害検知・通知自動化(Slack連携)
  • 自動スケーリングポリシーとロールバック戦略の実装
  • 運用マニュアル整備とエスカレーションフローの策定

成果

リードタイム短縮

60%

手動構成からGitOps
デプロイ失敗率

90%低減

自動ロールバック導入
障害検知時間

15分

従来60分→15分
運用自動化

GitOps完了

完全自動化達成
ビジネスインパクト
  • オンプレLLM基盤のデプロイリードタイムを60%短縮し、AIサービスの迅速な提供を実現
  • デプロイ失敗率を90%低減し、ArgoCD自動ロールバックによる安定したリリース運用を確立
  • 障害検知から平均15分での対応が可能となり、SLA目標を安定的にクリア
  • Keycloak認証統合により5チームでのマルチテナント運用を安全に実現

オンプレ環境でLLMを運用するには、パブリッククラウドとは異なる多くの制約がありましたが、GitOpsの採用により宣言的な運用管理が実現できました。GPUリソースの最適化も大幅に進み、チーム間でのリソース配分もスムーズになっています。

AIプラットフォーム部長 / 大手通信グループ